Frans HoekによるGKの分類 GKタイプを知る必要性

確信

 私がバルセロナのGKコーチに就任したのは、ロブソンが1年監督を務めた後だった。ロブソンのシステムは1-4-4-2でGKにはビトール・バイーアを起用した。そのときのバイーアは私の意見だが、世界でベストのGKの1人であり、ロブソンのシステムで非常に機能していた。ロブソンが去りファン・ハールが就任し全く異なるシステムでプレイし始めると、バイーアは強靭で信頼の置けるGKから正反対に変わってしまった。あるコンセプトにおいて全く信頼を置けない事に気づいた。当時の彼の前にはビルドアップの役割を求められる広大なスペースが有った。ルート・ヘスプの様なGKにとっては快適に感じるシステムであり、それゆえ移籍のオファーがなされた。これは素晴らしい選択であることが分かった。

試練

 ファン・デル・サールにも同様の事が起こる。アヤックスからユヴェントスに移籍したとき彼はオランダ最高のGKだったが、アヤックス時代と同様のパフォーマンスを発揮する事はできなかった。論理的に言って彼は強みよりむしろ弱点を試された。ファン・デル・サールペナルティエリアの近くで守備をするチームに所属していない。それは彼の責任だろうか?勿論違う。彼を雇った人間のミスだ。

分析

 私はGKの分析を始め、スペクトラムの両端に2種類のGKが存在するとの結論に至った。他の全てのGKはこのスペクトラムの中に収まる。1つの極点には私がR-typeと呼ぶタイプ。(ReactionGK或いはLineGKとして知られている。)このタイプのゴールキーパーは絶対勝者だ。彼らは勝利の為にいくらでも極点に向かう。彼らは頑丈で、高い筋緊張を持つ。このタイプはあまり運動選手らしく無いかも知れないが、大変屈強で、反応が素早い。これは必ずしも彼らが短距離走者である必要性を意味しないが、コンクリートブロックのような強い筋力と、偉大なカリスマ性を持つ。

Reaction

 ReactionGKはディフェンス陣を引っ張る能力があるが、怒鳴ったり責めたりする事で、結果としてそれがコーチングとなっている。セットプレーは守備を再編する時間があるが、通常は試合前に基本的な約束事は決められている。

キーパーのタスク

 R-typeのタスクを見てみると、シュートを止める事に優れている事に気付く。枠内シュートの約80-90%を阻止する。1対1の勝負はあまり成功しない。そのような状況では約70%の成功率だ。彼らは常に同じような行動を取る。相手を見て、ゴールからすさまじい勢いで積極的に飛び出し、相手の足の前に体を投げ出す。この方法は常にタイミングよく行われない為、しばしばファールになる。

ゴールキック

 一般的にR-typeはクロス対応が上手くなく、パスの予測やインターセプトが大変苦手だ。ボールを保持している状況では、通常は1つの方法しか行わない。ロングフィードだ。長い距離のキックやスローを行う事ができる。スローイングの精度は良いが、ゴールキックは悪くなる傾向がある。通常はスペースに蹴散らす。彼らはバックパスの大ファンでないため、大抵バックパスには問題が生じる。その解決法としてロングキックを行う。

まとめ

 ReactionGKを要約すると、思考や選択をする必要があるプロセスには困難が生じる。ゴールへのダイレクトシュートに対する反応は非常に優秀。その為ReactionGKという名前で呼ばれる。例を挙げると、ヤン・ファン・ベベレン、ピート・スフライフェルス、ディノ・ゾフ、ハンス・ファン・ブロイケレン、レイ・クレメンス、ゴードン・バンクス、現代で言えば、オリバー・カーンビトール・バイーア

Anticipating

 もう一方の極点にはA-GK、AnticipatingGKとして知られる。彼らは勝者だが、ReactionGKよりも少数だ。彼らはより運動選手らしい:運動選手らしい姿勢と筋緊張が少ない。 彼らはあまりカリスマ的でもない。

洞察力

 組織的な視点から、彼らはゲームを読むのがとても上手い。彼らには洞察力があり、ピンチの前にコーチングが行える。ディフェンダーが常に耳を傾けていないという事実は、尊敬と勇気を得ている彼らの人格と関係している。

キーパーのタスク

 彼らはReactionGKほどシュートの対応は良くはないが、スコアは平均的な成績になる。彼らは1対1の状況で非常に異なる方法を用いる。その状態を凝視し、対戦相手が何をすることができるか、何を行おうとするかを判断する。彼らは相手に近付き、得点のための行動を起こさせることによって主導権を奪い去る。多くの忍耐力を持って、ポジションにとどまり、適切なタイミングでボールを奪うため身を潜める。これらのスキルを持ち合わせてるとき、勝率が高くなる。さらに、彼らは危険を冒さないので、たとえミスを犯したとしても、すぐにペナルティやカードにつながることはない。

クロス

 クロスは、どのタイプのGKにとっても問題があるようだ。一般的に言えば、AnticipatingGKはR-type同様にクロス対応は上手くないかそれ以下。

選手

 AnticipatingGKはポゼッションの間、考える事と参加する事ができるGKだと分かる。非効率な場所と、機能的な場所を心得ている。だから彼らは常にロングパスを選ぶとは限らない。彼らはロングボールを扱う能力だけでなく、ボール保持を最大限可能にするやり方で時間を使う能力もある。また、ボールの置き場所について多くの方法を心得ている。フィールドへ落ちるパス、ストレートパス、ロブパスを扱える。それらは一般に、ReactionGKの距離には達しない。AnticipatingGKはフィールドプレイヤーとして簡単に扱える。11番目のプレーヤーとして機能できる。これは彼らがバックパスを愛していることを意味する。

所見

 AnticipatingGKのプロトタイプは、スタンリー・メンゾ、ファン・デル・サールマールテン・ステケレンブルフおよびファビアン・バルテズが挙げられる。彼らは本当のAnticipatingGKだ。彼らは、ポジショニング、コーチング、リーダーシップ、タイムリーな行動によって危険な状況を排除する。ゴールラインでのセーブを避けようとする。これは一般の人々が区別する事は難しい。だから、ReactionGKは通常、より良いコメントや批評を受ける。ReactionGKは簡単に評価できる。:誰かがシュートを打ち、GKが素晴らしいセーブを行う。

相違

 コーチであれば両方を区別できる必要がある。74年のワールドカップに遡れば、オランダ代表監督のリヌス・ミケルスはGKのキャッチングやフォーリングについてよく理解していなかった。しかし、彼は自分のシステムで機能するGKをしっかり理解していた。多くの人が驚いた事は、ミケルスが「正」GKと認められていたヤン・ファン・ベベレンドゥースブルフまたはピート・スフライフェルスの代わりにヤン・ヨングブルートを選んだことだ。彼らの能力はシステムと合わなかった。だからミケルスはA-typeのGKを必要としたし、実際R-typeの代わりに彼を選んだのだ。

短信

 GKを注意深く見れば、A-typeのGKとR-typeのGKが別のタイプと分かるだろう。他のすべてのGKもまた、スペクトルのどこかに当てはまる。A型やR型ではないGKは多くいるが、この2つの型の間の何処かに位置する。彼らがスペクトラムのどこにいるかは、a)彼らの育成に影響を与えるので非常に重要。GKを(ユースからプロまで)どのように育成するか?b)コーチはGKがシステムの中で身に着ける効果とc)もしゴールキーパーが特定のタイプであれば、どのように彼を訓練するかを判断する必要が有る。私は常にゴールキーパーはA-typeとして教育すべきだと信じている。